Goodbye
どうも。
6/1にtoeの『グッドバイ』をベースでカバーした動画を投稿しました。
この動画を録ったのは理由があります。それはこのツイートです。
After Image聴けると思ってなくて嬉しかったなあ。そしてやっぱりGoodbyeがすきだ。。 #nowplaying Goodbye by toe pic.twitter.com/HiMShced0T
— 遠藤ゆりか (@endo_yurika) November 6, 2017
11月6日にtoeのライブがあったんですけど、それに行った遠藤ゆりかさんのツイートです。このツイートを見た時は結構衝撃的で、遠藤ゆりかさんがスクリーモとか好きってのは知ってたんですけど、まさかtoeも聞いてるとはって感じでした。
そもそもtoeって何?っていうオタクの為に少し解説をすると、2000年に結成された日本のインストのポストロックバンドです。ポストロックって何ぞやって話をするとそれだけで一記事を書けてしまうので雑にいうと、従来のロックバンドでは使わないコード進行であったり、リズムであったりを使う少しプログレッシブでオシャレなロックみたいな認識でいいです。で、toeってバンドはインストのポストロックでは日本のパイオニアというか、かなり早い段階でそのジャンルを日本でやり始めたバンドです。ポストロックだけではなく、エモとかハードコアの要素を吸収して独自の音を鳴らすバンドで、国内外問わず界隈からの人気が高いバンドです。ただ、一般的な認知度は全然ないと思いますが。あと、メンバー全員がバンド以外の仕事をしながら活動しているバンドとしても有名です。
そんなバンドのライブを見に行ってて上のツイート。本当に音楽が好きなんだなって思うと少し嬉しくなりました。しかも、このグッドバイっていう曲は2つバージョンがあって、アルバム版と呼ばれる土岐麻子さんがボーカルを取っているものと、EP版というtoeのギターである山嵜廣和さんがボーカルを取っているものがあります。知名度はアルバム版の方が高いと思いますし、ライブでは基本アルバム版の方で演奏されています。ただ、僕はEP版の無骨でストレートな感じが好きなんで、EP版をよく聞いていますし、カバーもこっちでやりました。で、遠藤ゆりかさんが貼っているのはEP版で、あえてEP版を選んでいる所も含めていいなぁとか思いました。
で、このツイートの1か月後くらいに遠藤ゆりかさんが引退を表明されたんですよね。その時に、遠藤ゆりかさんが引退する日に絶対toeのグッドバイをカバーして投稿しようと決意しました。これこそが遠藤ゆりかさんに贈る相応しい曲だと思ったからです。
で、上の動画というわけです。
こっからはもう自分語りでしかないんですけど、自分の想いを書きます。
そもそも、toeについては僕が高校生の時に知って、ずっと聞いてきたバンドなんですよね。ずっと好きです。高2の頃だったと思うんですけど、初めて聞いたのがグッドバイでした。
これを見た時は衝撃的でした。曲も歌もPVも何もかもセンスに溢れていて。こんなかっこいいバンドがいたのかって感じでした。
ただ当時はかっこいい、センスあるって感想しかなかったんですが、大学入ってから歌詞を改めて見ると、その歌詞の深さにやられたんですよね。
There is no one can understand me truly
I do not go out and I will keep silence
Everyone is mania in general
You don't have (time to sleep
For) to know others
It's more complex than how I used to thought
But already I know
The start is (living life) to the end
Everyone is mania in general
You don't have (time to sleep
For) to know others
うまく届かないんだ
また 次の不安か?
A disruption and blinder
その先はないんだ
(和訳)
僕を本当に理解してくれる人はいない
どこにも行かず、沈黙を守るだろう
躁鬱はデフォルトで
君は他人を知る為に眠る時間もない
それは思ってたより複雑だった
だけど、もう知ってる、始まりは終わり
躁鬱はデフォルトで
君は他人に夢中で眠る時間もない
上手く届かないんだ
また次の不安か
分裂と目隠し
その先はないんだ
マイナス思考の人間からすると刺さるなぁって思いました。自分を理解してくれる人は全くいないのに、他人と関わるために必死になって。でも上手く届かなくて。そうやって別れを繰り返していく。その虚しさというか、無情を歌だと思います。
で、ここで終わればただの憂いの歌なんですけど、この曲はそこで終わらないのが本当に魅力的だと思います。というのも、上の歌詞の
You don't have (time to sleep
For) to know others
の部分の()は音源でもライブでも歌わないんですよね。山嵜さんが歌う時は。そうなると「君は他人を知るために眠る時間もない」ではなく「君は他人を知る必要がない」ってなるんですよね。それを知った時なんて深い曲なんだろうと思いました。歌詞だけを見ると、憂いている歌なんですけど、歌にする段階でそんな必要はないと励ましてくれる。そこにすごく感動して。それから一層この曲が好きになったんですよね。人間関係って難しくて今でも悩むことはあるんですけど、そういう時にこの曲を聞くと、なんだか少し楽になります。こんなに深く悩む必要なんてないんじゃないかって思えるようになりました。
で、遠藤ゆりかさんの話。バンドリのRoseliaとして活動するタイミングで知って、ベーシストでスクリーモ好きでオタクでっていう所で親近感を覚えるというか、まあ応援しようみたいな感じでした。結局Brutal Techniacal Bassist西本りみさんがヤバすぎてそっちばっか応援してますけど。なので熱心なファンというわけではないですが、普通に応援していました。
しかし、引退。理由は体調面とかを考えると声優としての活動が厳しいから。まあ、言及するとこれも一記事かけてしまいそうなので、敢えて書きませんけど声優という仕事のハードさについていけなかったということなんだと思います。それを悪いとは思いません。その人の人生はその人が決めるべきなので他人がとやかく言うべきでもないです。
ただね。そういう背景がある中で、遠藤ゆりかさんは好きだと言っているこの曲をどういう風に聞いていたんだろうなって、思わざるを得ないんですよね。この曲のセンスの良さに惚れているだけなのか、それとも歌詞に感銘を受けたのか。後者だったらどんな風に捉えたんだろうなとか。余計な詮索だとは思うんですけど、歌詞が歌詞なだけあって、考えてしまう。いつも笑顔で振る舞っていた遠藤ゆりかさんも、見えない所では人間関係とかめんどくさい柵とかに悩んで悩んで悩んで、そんな中でこの曲を支えにして頑張っていたのかなとか思ってしまうんですよね。
本当にいつも明るく振る舞って、ポンコツの多いRoseliaのメンバーを最年少なのにまとめていた遠藤ゆりかさん。でも、その裏では色々と悩んでいたんだろうなと思うと、本当に強い人だと思います。だれとは言わないですけど、結構そういうメンタルが弱ったら表に出す人いるじゃないですか、同業者でも。でも絶対に見せない。プロ意識が高いって言う事も出来ると思いますが、僕は人間として心が強い人なんだろうなって思います。だからこそ、この曲が好きって言っていることに安心したというか、あぁやっぱり支えにしているものがあるんだなって思うことが出来ました。
始まりは終わり、これは本質で永遠なんてものは存在しないです。思い出だっていつかは風化してしまう。だからこそ、”今”を楽しむべきだし良きものにする必要があると僕は思います。遠藤ゆりかさんが新たな道に進まれても精一杯頑張って日々を過ごされてほしいと思います。そして悔いが無い人生にしてほしいと思います。
この気持ちはきっとうまく届かないんだろうけど、少しでも多くの人にこの気持ちをほんのちょっとでもいいから届いてほしいと思います。そして、遠藤ゆりかさんが好きで、僕が好きな、この曲を知って欲しいです。それから、願わくば、またどこかでひっそりと遠藤ゆりかさんが音楽活動をされることを祈っています。5年間お疲れ様でした。
"Goodbye"
(どうひま)